フィンランド、バルト海の電力とインターネットケーブルの妨害疑惑捜査の一環として錨を回収

フィンランド警察は火曜日、バルト海の電力ケーブルとインターネットケーブルに対する妨害行為の疑いの捜査の一環として、紛失した錨を海底から回収したと発表した。

フィンランドは先月、海底で錨を引きずりフィンランド・エストニア間のエストリンク２送電線と４本の通信ケーブルに損傷を与えた疑いで、ロシアの石油を積んでいたタンカー「イーグルＳ」を拿捕した。

フィンランド国家捜査局は声明で、「錨が見つかった場所はイーグルＳ号の航路沿いで、海底で見つかった引きずり跡の西端に近い」と述べた。

船主であるアラブ首長国連邦に本拠を置くカラベラLLC FZの代理人を務めるフィンランドの弁護士ヘルマン・ユングベリ氏は、被害疑惑はフィンランド領海の外で起きたため、同国には介入する管轄権がないと述べた。

ユングベリ氏は以前、フィンランドは海上で同船をハイジャックしたため解放すべきだと述べたが、先週裁判所はこの要求を却下した。

フィンランドのユッカ・ラッペ副検事総長はロイターに対し、イーグルＳの乗組員らは妨害行為と器物損壊の疑いがあり、通信妨害の罪で船主とともに刑事責任を問われる可能性があると語った。

フィンランド警察は、捜査の一環として乗組員8名に渡航禁止命令を出したと発表した。

フィンランド税関は、イーグルSがロシア石油への制裁を回避するために使われた影のタンカー船団の一部であると考え、積荷を押収したと発表した。

ロシア政府は、フィンランドによる同船の拿捕はロシアにとって問題ではないと述べた。

事件後に撮影されたイーグルSの写真では、同船が左舷側の錨を失っていることが分かる。

2022年にロシアがウクライナに侵攻して以来、電力ケーブル、通信回線、ガスパイプラインの停電が相次ぎ、バルト海諸国は厳戒態勢を敷いている。NATO軍事同盟は、この地域での存在感を高めると述べている。

警察によると、錨はフィンランド国境警備隊と国防軍、スウェーデン海軍の協力により海底から回収されたという。

NBIのリスト・ローヒ警視は声明で、「犯罪捜査の進展に寄与するものであり、現在法医学的分析の対象となっている」と述べた。

同様の作戦で、フィンランドは2023年に、ガスパイプラインといくつかの光ファイバーリンクに損傷を与えた疑いのある中国のコンテナ船のものだった錨を回収した。この事件はまだ捜査中である。

フィンランドは、中国がこの調査でフィンランド当局に協力していると述べた。

フィンランドの通信事業者エリサは月曜日、12月25日の事故で損傷した海底通信ケーブル2本が強い外力によって引き裂かれたとみられると発表し、現在は修復されていると付け加えた。

通信ケーブルとともに断線したエストリンク2電力ケーブルの修理には7か月かかる見込みだと、フィンランドのフィングリッドとエストニアの通信事業者エレリングは述べた。